司法書士業務に出てくる用語解説
【か行】
- 改正貸金業法(かいせい・かしきん・ぎょう・ほう)
- 2010年6月に総量規制が導入されることで完全施行される法律。
グレーゾーン金利が撤廃され、出資法の上限金利が引き下げられます。 - 貸金業(かしきん・ぎょう)
- 内閣総理大臣、または都道府県知事の許可を得た貸金業者だけが貸金業を営むことができます。無登録で貸金業を営んだ場合「5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下(法人の場合は1億円以下)の罰金刑に処されます。
また、無登録で貸金業を営む者のことを一般的に「ヤミ金」「闇金融」と称せられています。ヤミ金業者が行う融資は、もちろん違法ですので、くれぐれも利用しないようにしてください。
万が一、ヤミ金業者から借金してしまった場合は、司法書士や弁護士、警察などに相談しましょう。 - 過払い金(かばらい・きん)
- 利息制限法の上限利息を超えた金額のことを「過払い金(かばらい・きん)」と言います。つまり「元本(がんぽん)+貸金業者としての正当な利息」を超えた金額が過払い金なのです。
- 管財手続き(かんざい・てつづき)
- 破産申立てをした場合に、手元に財産がある場合には、「管財手続き」となり、財産がない場合には、「同時廃止」となります。
破産管財人が選ばれ(通常弁護士がなります)て、財産の管理や処分といったことを行っていく場合の破産の手続のことを、「管財手続き」といいます。 - 元本(がん・ぽん)/元金(がん・きん)
- 元本(がんぽん)とは、賃借の対象となった金額を指します。つまり、借金した額面(債務から利息や遅延損害金等を差し引いた額)が元本となります。
- 官報(かんぽう)
- 政府が毎日発行する公報を「官報(かんぽう)」と言います。大きな書店の政府発行物コーナーなどで販売されており、図書館でも閲覧できます。官報には省令や規則の告知、国家試験合格者の発表等の情報が掲載されます。
また、破産者の氏名も掲載されますが、その性質上、官報を購読している方はほとんどいないのが実情です。 - 金銭消費賃借契約(きんせん・しょうひ・ちんしゃく・けいやく)
- 金融機関や貸金業者に借金をする際に交わす契約のことです。
- グレーゾーン金利(ぐれーぞーん・きんり)
- 「法律違反かどうかあいまいな範囲の利息」のことを「グレーゾーン金利」と言います。金融機関は、原則として金利は「利息制限法で定められた上限(15〜20%)まで」としなければなりません。
ただし、一定の条件を満たした場合のみ「出資法で定められた29.9%までの金利」を認められます。これを「みなし弁済(みなし・べんさい)」と言います。 - 減額報酬(げんがく・ほうしゅう)
- 利息制限法による引き直し計算をした結果、過払いにはならず元本の減額にとどまった場合に、その減額分に一定の割合を乗じた金額を報酬とするもの。
この減額報酬を徴収すると、依頼者のご負担が増え、任意整理後の生活再建が困難になる場合も考えられます。 - 個人信用情報機関(こじん・しんよう・じょうほう・きかん)
- 個人の経済的信用、つまり「融資の契約内容・返済情報など」を管理している機関のことを指します。また、それらの情報のことを「個人信用情報」と言います。個人信用情報は、ご自身でも確認ことができますので、誤りがあれば、訂正依頼することができます。
主な機関は以下の通りです。(参照)
・全国銀行個人情報センター [ 銀行関連 ]
・株式会社シー・アイ・シー [ 信販関連 ]
・株式会社日本信用情報機構(JICC)[ 消費者金融関連 ]
【さ行】
- 債務(さいむ)
- 金銭等を返済しなければならない義務のことを「債務(さいむ)」と言います。
- 債務整理(さいむせいり)
- 借金返済に困難が生じている場合に、無理のない返済計画を立てて解決していく方法。任意整理、民事再生、自己破産、特定調停のいずれかの方法をとります。
- 債権(さいけん)
- 借金の返済など、ある特定の要求をできる権利のことを指します。
- 事故情報(じこ・じょうほう)
- 「返済が滞った」等の場合に個人信用情報機関に登録される情報を「事故情報」と言います。
事故情報は、通常5〜10年程度(*)記録され、その後に消去されます。
(*)内容によって、情報が保存される期間が異なります。 - 実質年利(じっしつ・ねんり)
- 借金ついて、1年間でどれだけの利息が付くかを計算した年利のことを指します。
- 出資法(しゅっし・ほう)
- 出資の受け入れ・預かり金・金利等の取り締まりに関する法律を「出資法(しゅっし・ほう)」と呼びます。出資法では貸金業者の上限金利は「29.2%」です。
借金の上限金利については原則として利息制限法(りそく・せいげん・ほう)が適用されます。
ただし例外規定を満たすと出資法の上限金利を適用できます。
また、出資法の上限金利を超えた利息を取ると法律的に罰せられます。 - 総量規制(そうりょう・きせい)
- 借り入れ総額が個人の年収の1/3までに制限される。また専業主婦(主夫)が借り入れの場合、配偶者の同意が必要になります。
【た行】
- 遅延損害金(ちえん・そんがい・きん)
- いわゆる「延滞金」のこと指します。返済日を過ぎても返済しない場合は、遅延損害金が発生します。
- 同時廃止(どうじ・はいし)
- 自己破産の申立てを行う人にほとんど財産がない場合、破産手続きの開始の決定と同時に、破産手続が終了します。
これを「同時廃止」といいます。 - 取引履歴(とりひき・りれき)
- 貸金業者との取引を記録した書面のことです。ご相談いただく際は債務整理を行うための重要な資料として「取引履歴(とりひき・りれき)」をご提供いただきます。
取引履歴をご提供いただくと、その後の処理を円滑に行うことができますが、もし紛失等されている場合は、その旨ご相談ください。貸金業者から取引履歴を取り寄せた上で債務整理をさせていただきます。
【な行】
- 内容証明郵便(ないよう・しょうめい・ゆうびん)
- 「誰が・誰に対して・いつ・どのような内容の文書を郵送したのか」について、郵便局が証明してくれる仕組みです。過払い金の返還請求等の際、事実関係を明確にするために、この方法を使用します。
- 任意整理(にんい・せいり)
- 司法書士や弁護士などが金融機関や貸金業者などと交渉し「借金の減額や利息の削減、返済方法」などを決め、円満な和解をめざす手続きを「任意整理(にんい・せいり)」と言います。
任意整理は裁判手続きではないため、ご依頼者が裁判所に出向く必要がありません。私たち司法書士などの法律家がご依頼者の代理人として交渉させていただきます。 - 認定司法書士(にんてい・しほう・しょし)
- 「認定司法書士(にんてい・しほう・しょし)」とは、簡易裁判所で債務(借金)整理などの訴訟を行う資格を持つ司法書士のことを指します。認定司法書士は皆様の代理人として、債権者(さいけんしゃ)である金融機関や貸金業者と交渉することができます。
吹田合同司法書士事務所には、認定司法書士が在籍しています。債務整理についてお困りのことがございましたら、ぜひ私たちにご相談ください。
【は行】
- 法的整理(ほうてき・せいり)
- 裁判所を通じて債務処理を行うことを「法的整理(ほうてき・せいり)」と言います。法的整理には「特定調停(とくてい・ちょうてい)」「個人再生(こじん・さいせい)」「自己破産(じこ・はさん)」などがあります。
【ら行】
- 利息制限法(りそく・せいげん・ほう)
- 貸金(かし・きん)における利息の上限を定めた法律を「利息制限法(りそく・せいげん・ほう)」」と言います。元本が10万円以上、100万円未満の場合は年18%、元本が100万円以上の場合は年15%とされます。この制限以上の利息は例外の除いて無効となります。
- 連帯保証人(れんたい・ほうしょう・にん)
- 債務者が借金を返済できなくなった場合に、債務者と同じ返済責任を負う方を「連帯保証人(れんたい・ほしょう・にん)」と言います。つまり、単なる保証人と違ってその責任はかなり重くなりますので、安易には引き受けないほうが良いでしょう。