特定調停とはどんな方法？
特定調停は裁判所を利用した任意整理で、債務者と債権者の和解を裁判所の調停委員を仲介にして進める債務整理手続きです。
全ての債権者を相手に申し立てることができるだけでなく、一部の債権者だけを選んで申し立てることができます。例えば、多くの貸主は借金整理案（和解案）に同意しているものの、一部の貸主が同意しない場合には、同意しない貸主だけを相手として特定調停を申し立てることもできるのです。
特定調停手続きを利用できるのは、
■減額後の借金を3年程度で返済できる方
■安定した収入をお持ちの方
になります。
- 特定調停のメリット
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・弁護士、司法書士（簡易裁判所代理権の認定を受けた者に限る）に依頼した場合にはその時点で
債権者の取立行為がストップされます。
本人申立の場合は特定調停申立時点より債権者の取立行為が規制されます。
・自分で特定調停を裁判所に申し立てる場合、手続きの費用がほとんどかかりません。
債権者数分だけの印紙代と切手代だけで済みます。
・任意整理と同様、利息制限法による引き直し計算により、借金を減額することができます。
・「将来利息」を払う必要がありません。
- 特定調停のデメリット
-
・信用情報機関に登録されるので、5〜7年程度クレジットカードやローンの使用が制限されます。
・債権者との交渉が決裂すれば、別の手続き（個人再生・自己破産）に移行しなければなりません。
・申立人自らが裁判所に出頭する必要があります。
・調停成立日までの未払利息、遅延損害金を支払わなければいけません。
・過払い金が生じている場合は、任意整理とは異なり、別途手続きをしなければいけません。
手続きの流れ
書類作成
まずは吹田合同司法書士事務所/大阪に無料相談。依頼が決定し、手続きを開始すると当事務所から債権者（貸金業者）へ受任通知が送付されます。
これで債権者からの取り立て・返済がストップします。
利息に基づく引き直し計算
受任通知により貸金業者から開示された取引履歴を元に、過去の取引を利息制限法の上限金利に基づいて計算し直し（引き直し計算）、法律上支払う必要のある借金額を確定します。
過払い金が発生していたら、債権者に過払い返還請求ができます。
和解案の作成と交渉
依頼者と今後の具体的な支払予定を相談させていただき和解案を作成、債権者と和解内容について交渉、合意書を取り交わします。
和解に基づいて返済開始
特定調停手続き事例をご紹介します
40代女性（パートタイマー）
S.Oさんは所謂シングルの方でした。3人のお子さんを育てるためにパートタイムの仕事に励む毎日。しかし、それだけでは生活費が足りず、消費者金融から借金をすることで何とかしのいでおられたそうです。消費者金融4社からの債務総額は120万円。また、消費者金融への返済のため、ヤミ金融にまで手を出しておられました。その結果、借金は280万にまで膨らんでいました。月々の返済だけでなく、厳しい取り立てのために生活・精神の両面で追い込まれていらっしゃいました。
ヤミ金融は非合法の貸金業者です。借金を返済する義務はありません。しかし、現実的にはそうはいきません。ヤミ金融業者に対して、特定調停を申し立てました。幸い、特定調停によってヤミ金融からの取り立ては停止。ひとまず、Jさんに平穏な暮らしが戻りました。
また、消費者金融4社からの債務について引き直し計算をしたところ、45万円の過払い。残債務も15万円にまで減額できました。現在は月々5,000円の返済を続けながら、子育てに仕事に励む毎日を送っていらっしゃいます
。
（*）ヤミ金融のように、任意整理に応じないような強行な業者の場合、特定調停をお勧
めする場合がございます。取引履歴の開示に応じない業者に対して、調停委員から文
書提出命令を発令されるなど、特定調停は債権者（金融業者）に対して一定の強制力
が発揮できます。
ただし、調停成立後に作成される調停調書により、債権者は強制執行を行うことがで
きるなどのデメリットもあります。つまり調書通りに返済できなければ直ちに給料を
差し押さえされてしまうなどの危険性もあります。
詳しくは当事務所までご相談ください。
40代女性（専業主婦）
M.Kさんはご主人とご結婚する前から約100万円の借金を抱えておられました。パートタイムの仕事をしながら、ご主人には内緒で返済しておられたようですが、徐々に膨らむ利息が原因で、ヤミ金融にまで手を出されてしまいました。その結果、膨らんだ債務は約260万円。
特定調停により取り立てはストップ。引き直し計算によって、残債務も減額。現在はご主人の協力も得られ、無理のない返済を続けておられます。
