簡易裁判所の手続き
ここでは、個人で特定調停を申し立てする際に役立つ「少額訴訟」と「支払催促」について説明させていただきます。
少額訴訟とは?
少額訴訟手続は、60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争を解決する特別の手続です。そのため、審理においては、即時に取り調べることができる証拠に限り証拠調べがされます。
また、少額訴訟でも、話し合いで解決したいときには、和解という方法があります。「車をぶつけられたが、修理代を払ってくれない」「お金を貸したが、返してもらえない」「敷金の返還についてもめている」などといった争いに利用されます。
» 少額訴訟のデメリット
・金銭の請求以外には利用できません。
・相手方の所在がわからないと訴訟提起できません。
・判決に不服でもその上の裁判所(地方裁判所)に控訴できません。
(当該判決を下した簡易裁判所への異議申立ては認められます)
・被告が通常の民事訴訟に移行するよう求めた場合は少額訴訟はできません。
・かかった経費を負けた側に請求することはできません。
・相手方に支払い能力がないと判断される場合には向いていません。
支払催促とは?
金銭、有価証券、その他の代替物の給付に係る請求について、債権者の申立てにより、その主張から請求に理由があると認められる場合に、支払督促を発する手続であり、債務者が2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所(書記官)は債権者の申立てにより支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこれに基づいて強制執行の手続を採ることができます。
例えば、内容証明郵便で支払を請求しても相手が応じてくれなかったり、反応がない場合には、裁判所の力を借りて相手に支払をするように求める方法が、支払督促と呼ばれる制度です。この制度は、民事訴訟法382条で定められたもので、債権回収(お金を取り返す)の有効な手段です。
» 支払催促のメリット(費用は通常の裁判の半額以下)
通常の訴訟(裁判)とは異なり、申立人(債権者)の申立書を受理した裁判所は、書面審査のみを行い、申立書に問題がなければ債務者(相手方)に支払督促を送ってくれますので、申立人が裁判所に出頭しなくて済みます。訴訟のように債務者を呼び出して事情を聞いたり、証拠調べなどは一切行われませんので、非常に迅速です。また、債務者からの異議がなければ 早くて1ヶ月余で強制執行手続ができるようになります。
» 支払催促のデメリット
債務者(相手方)がお金を借りた覚えはないとか、金額が違うとか言っているような場合は、債務者が異議申立を行う可能性が高いため、支払督促手続よりも直接訴訟をした方がよい場合もあります。また、60万円以下の金銭の支払を求める場合は、1回の期日で審理を終え判決が言い渡される少額訴訟という手続を検討する方がよいでしょう。
・金銭の支払請求などにしか利用できません。
・債務者(相手方)の住所を管轄する簡易裁判所に申立てする必要があります。
(ただし、申立ては郵送でも可能)
・債務者が以後を申立てた場合には通常訴訟(裁判)へ移行しますので、
債務者の住所地で裁判が行われることになり、そこまで行く必要があります。
・公示送達ができないので、債務者の住所が不明の場合にはこの制度は使えません。
» 支払催促の例
・敷金返還請求、離婚の慰謝料請求、養育費請求など。
・債務者との間で債務の存在や金額に争いはないが、なかなか支払ってくれない場合。
・債務者が裁判までする覚悟はなさそうな場合。
・申立人に明確な証拠があるなど、勝算がある場合。
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